商品情報
原材料 | 雄町(岡山県)65% |
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アルコール度数 | 17度 |
日本酒度 | +3.0 |
酸度 | 2.0 |
使用酵母 | |
仕込水 | |
取り扱い・保存について | 要冷蔵 |
株式会社 辻本店(岡山県真庭市)
文化元年(1804年)、現在地に酒造業を創業。当時は美作勝山藩御用達の献上酒として「御膳酒」の銘(現在の銘柄の由来)を受け、一般には「萬悦」の銘柄で親しまれていた。又、当蔵元は古来「うまさけの国」と言われたこの「美作(みまさか)」の地(岡山県北の旧国名)で、寒冷な気候、良質の酒米と水という、酒造りの好条件に恵まれた環境にある。このことは、当蔵の基本方針にも表れている。長い歴史の中、地元の米、地元の水、そして地元の技で醸すことこそ、造り酒屋の原点と考え、綿々と酒造りに励んでいる。
酒質の特徴としては、県南の瀬戸内の酒が甘口であるのに対して、すっきりとした辛口が持ち味である。それは、冬の寒さの厳しいこの地の人々が求めた味でもある。また、早くから(昭和45年頃)純米酒の製造にも積極的に取り組み、現在では製造数量の7割を占める。また、当蔵で40余年の熟練者であった前杜氏の原田 巧の後を引き継ぎ、平成19年より岡山県初の女性杜氏 辻 麻衣子が酒造りを行っている。蔵人も若返り、杜氏を盛り立てている。
当蔵元の辻家では、明治から昭和にかけての当主が、文化的な活動にも積極性であり、自ら書画を嗜むことから、文人墨客の訪れることが多く、与謝野鉄幹、晶子夫妻の逗留をはじめ尾上紫舟、碧梧桐等が画帳、色紙に筆跡を残している。また、旨酒をこよなく愛した明治の文豪、谷崎潤一郎は当地で「細雪」を執筆していたことは、意外に知られていない。彼の逗留していた町屋も現存している。歴史学者である奈良本辰也を始め、池田弥三郎等。その他渥美清、永 六輔等、多くの客人が訪れている。酒を通したさまざまな文化とのふれあい。こうした御前酒の歴史は、上質の酒造りの伝承と本物へのこだわりであり、次代の酒文化の担い手としての心意気を示すものに他ならない。
