田の中で生まれ、多の中で選ばれ、他の中で際立つ
田中六五(たなかろくじゅうご)とは。
誤解を恐れずに言うなら、ゼリーのような酒だ。
液状ではあるが、口に含むと単純なる液体ではなく、思わず咀嚼したくなるような滑らかな質感を備える。
噛める酒であり、食べるように愉しめる。
咀嚼の中で浮かび上がるシルエットは白く、液状のその先に感じる存在はこうべを垂れて実った米だった。
食卓における白米は、主役という強い主張はなく、かといって脇役にしてしまうのは乱暴であり、さりげなく在り、欠かすことのできないもの。
水のように力まずに、田中六五は、今宵も酒の席の傍に、そっと身を置く。
商品情報
原材料 | 山田錦65%精米 |
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アルコール度数 | 15度 |
日本酒度 | ― |
酸度 | ― |
使用酵母 | ― |
仕込水 | 白糸の滝からの伏流水 |
取り扱い・保存について | 要冷蔵でお願い致します。 |
味わい・特徴
透明感の高いウオーター・ホワイトの色調を呈し、芳香性は閉じ気味で控えめな中にもライラックの花弁、バナナ、そしてライス・パウダーのような穀物由来の香を見せています。
かすかな甘みはバナナのフレーヴァーとリンクし、ミネラル感によるスティーリーさが終始味わいにストラクチャーを与え、フィニッシュに存在する見事な焦点へと帰着してゆく味わいです。
飲み方・料理の合わせ方
最初は冷えた状態で口内に流し入れ、舌をアルコールに馴染ませ最初は少し硬い印象を持ち食を進めていくにつれて酒の温度も上がり、少しずつ杯のペースが上がりいつの間にか無くなっている、そんなお酒ですので一杯で留めず少し長めに付き合っていただき幸せな時間をお手伝いさせて頂ければ幸いです。
有限会社 白糸酒造(福岡県糸島市)
故郷が育てた山田錦で、醸す自然に恵まれた福岡県糸島市を故郷に、先人の知恵に学ぶ酒づくりを続けています。
糸島は、知る人ぞ知る山田錦の産地です。初夏の田植え。緑の稲が風にそよぐ夏。開花、出穂。黄金色の頭を垂れる秋。その成長の一日一日を私たちは肌で感じ、冬の造りを迎えます。
酒米の最高峰といわれる山田錦。栽培適地の候補に挙がった糸島地区は、地道に研鑚を重ね、有数の産地に成長。白糸酒造はいつしか「山田錦の田んぼに囲まれた蔵」という地の利に恵まれることとなりました。
「糸島に白糸酒造あり」故郷の人々が丹精込めた糸島産山田錦の酒を造り始めたのは、平成元年のこと。地元の米で酒を醸し、昔ながらのハネ木搾りという上槽法でやさしく搾る。それが白糸酒造の酒です。今年も「糸島」への敬愛と感謝を酒一滴(ひとしずく)に込めて。